2025/12/16 21:15


この記事でわかること

  • 植え替えが必要なサイン(いつ・なぜ行うか)

  • 用意する道具と用土の配合(植物タイプ別)

  • 植え替え手順

  • 根詰まり・根腐れの対処法(救出手順)

  • 植え替え後のアフターケアと注意点

  • 土の種類と役割まとめ




植え替えが必要なサイン

鉢から根がたくさんはみ出している(根が鉢底穴から出る/鉢の上に根がぐるぐる)

  • 少量ならそのままでもOKだが、大きくしたいなら植え替えが〇

  • 水はけが悪くなった(すぐに水が溜まる/土がいつまでも湿っている)

  • 成長が止まった。鉢が株に対してあきらかに小さく見える

  • 鉢が変形してきた。ストレリチアなど根が太いものはなりやすい


↑ストレリチアの根が鉢を割るとこうなります


植え替え適期

  • 春〜初夏(成長期)がベスト

  • 真夏や真冬は回復に負担がかかるのでなるべく避ける

  • 植え替え後に15℃以上を保てる場合は通年OK




準備するもの

  • 鉢(現在の鉢より1〜2サイズ大きめが基本)
    1号=直径3㎝なので、現在5号(15cm)の場合は6号(18cm)を用意
    そのうち成長して大きくなるんだから、最初から大きな鉢にした方がいいじゃんと思うかもしれませんが、植物の根に対して土の量が多すぎるのはNG。加湿により根腐れします
    植物を大きくしたくない場合は、今と同じ大きさの鉢でOK

  • 用土(植物の種類や管理する環境に合ったもの)
    下記で詳しく説明します


あると便利なもの
  • シャベル/スコップ、軍手、細い棒、はさみ(消毒済み)、支柱(必要な場合)

  • 鉢底石、鉢底ネット、活力剤




用土の目安(植物別・配合例)

室内管理でコバエや根腐れが気になる方は、赤玉土や鹿沼土などの無機質用土にすると〇
コバエは鉢の表面の1~2cmを無機質にするだけでも効果があります。土についての詳しい説明は最後にします。

  • 一般的な観葉植物(シェフレラ、モンステラなど)

    • 観葉植物用か花と野菜用の培養土

    • 赤玉小粒 5:腐葉土 3:パーライト 2


  • 多肉・サボテン類

    • 多肉植物用培養土

    • 赤玉小粒 5:鹿沼土3:軽石かパーライト 2


  • シダ類(アジアンタム、ビカクシダ、アスプレニウムなど)

    • 観葉植物用か花と野菜用の培養土

    • 水もちの良い土 腐葉土 6:赤玉小粒 2:パーライト 2


  • 着生植物(ラン、ビカクシダなど)

  • 水苔

    (※配合は目安。市販の「観葉植物用」「多肉用」培養土でも問題なし)




植え替え手順4パターン

【①鉢を大きくする植え替え、鉢増し】
↑2号ポット苗のオリヅルラン

どんなとき?:根詰まりして植物が元気をなくしている
株が大きくなり、鉢が窮屈になった
  1. 準備:鉢・土・道具を準備します

  2. 鉢から抜く:鉢の縁を軽くたたき、優しく引き抜きます。プラスチック鉢は側面を押すと抜きやすいです


根の観察
↑行き場のない根が鉢底でぐるぐるになってる様子

根が白く張っているか、黒くドロッとしていないか確認。(アジアンタムやビカクシダなど茶色い根をしている植物もいる)

3.根の処理:黒い根は枯れているので丁寧に取り除く。根がぐるぐる回っている場合は、指で軽く広げます。
有機質から無機質用土に変える場合や、根腐れをしている場合は、水をためた容器内で根を優しくゆすって洗うとやりやすいです

4.葉の処理:傷んでいる葉は付け根から切り取ります。もし根を減らしたり切ったりいじった場合は、ダメージ回復しやすいように葉の数を減らし負担を減らします。減らす葉は下葉の古いものにしましょう

5.鉢底処理:新しい鉢に鉢底ネット→鉢底石(少量)→新しい用土を少し入れます

6.配置:植物を新しい鉢の中心に入れ、深さは根が隠れるくらいにします。周囲に新しい土を足していき、鉢の縁から1cmくらいの所まで入れます。鉢の縁まで土を入れると、水やりのたびに土があふれます。最後に鉢をとんとんしにたり、軽くたたいて根の隙間にまで土が入るようにします。割りばしなどで挿す場合は、根を傷めないように注意しましょう。

7.水やり:植え替え直後はたっぷりと与え、鉢底から流れる水が透明になるまで微塵を洗い流します。

8.場所:直射日光を避け、風通しの良い明るい場所で管理します。1〜2週間は落ち着かせる期間として、移動させたり環境の変化を与えないようにしましょう。


【②鉢を小さくする植え替え
↑4号ユッカ。成長が止まり、なんとなく元気がない

どんなとき?:植物の根の量に対して土の量が多い、株に対して鉢がかなり大きい、大きくなりすぎたので小さくしたい、根腐れして根の量が減った

(手順はほぼ同じなので、大事なところだけ)
4.根の処理:白くてみずみずしい根だけを残します。黒くなってたり、ドロッとしている根は取り除きます。

↑白くて元気な根と、黒ずんでいたんでいている根


↑傷んでいた根を切った様子

単に鉢が大きすぎた場合は、鉢から抜いて適切な大きさの鉢に入れるだけ。傷んでる根があれば取り除く。
大きくしたくない場合は、中心の古い根をメインに1/3程度切り、根が収まる大きさの鉢に植えます。

5.葉の処理
↑4号から3号ポットに鉢下げ

根の量を減らすと吸い上げる水の量も減るので、葉がたくさんついていると葉から蒸散する水分の方が多くなり、しおれてしまいます。切った根の量と同程度の葉を落とします


【③鉢の種類を変えるだけの鉢替え】
どんなとき?:今の鉢と見た目を変えたいだけのとき

やり方:同じサイズの鉢の場合は、鉢から抜いてそのまま新しい鉢に入れるだけ!根をいじらないので、一年中行うことができます。根がまわっていない株だと、抜いた時に土がたくさん落ちてしまうかもしれません。その場合は優しく土を足してください


【④株分けをして植え替え】
どんなとき?:子株が出てきて鉢が窮屈になってきた、元々数本植わっていたものが成長して窮屈になってきた
↑元々一株だったが子株が出てきて窮屈になったハマユウ

やリ方:それぞれの株を切り離します。はさみゃナイフで切ったり、手でもぎ取るように引っ張ると取れます。
↑もぎ取った様子。残り2つも同様にとっていく


↑全て切り離した様子


↑切り離した株は一株ずつ株の大きさに合わせた鉢に植えます
切り離すときに根を傷めているので、古葉を何枚か切って回復しやすくします




 根腐れ救出手順(緊急対応)

土が湿っているのに葉が元気なく、しおれているような時は、根腐れを起こし根が水分を吸えていないのが原因かもしれません。いつもじめじめした所にいたら、人間だって息苦しいですよね。根も同じで息苦しさを感じ、酸欠状態なのです。軽い根腐れの場合は、土を乾かし適切な水やりで復活しますが、重度の場合は根の処理が必要です。

土が湿ったままで植物の状態が元気ないようなときは、まず一番にやることは土を乾かすこと!
鉢をティッシュや新聞紙、段ボールなど水分を吸い取ってくれるものの上に置きます。こうすると鉢内の水分が早く抜けます。特に冬場は植物の成長が鈍り、必要な水分が減るので土が乾きにくくなります。根腐れが心配な方は、植物が元気な時でも水やり後は紙の上に置くのも一つの手です。

↑根の全体が黒っぽくなって元気のないバーキン。夏場に土の中が蒸れて根腐れしてしまいました。


↑元気のいいセロームの根


やり方
1.腐った根(黒くて柔らかい)をハサミで切る。土がついてわかりにくい場合は、水で優しく洗い流すとやりやすいです
↑痛んでる部分を取り除き、切り口が白くなる所まで切り詰めた様子

2.減らした根の分、葉も減らす。根腐れしてる株は、根より葉の水分消費量が多い状態になるので、葉を減らして水分消費を抑えます

3.新しい土へ植える
植え替え後は当面は水を控えめにし、直射日光の当たらない風通しの良い場所で養生させます。もし真夏や真冬に行た場合、15~28℃くらいの人間も快適な温度にすると安心です




 植え替え後のケア

  • 最初の1週間は直射日光・肥料・過度な水やりを避ける

  • 3〜4週間で新葉が出れば成功のサイン




よくあるミスと対処法

  • 鉢が大きすぎた → 根に酸素が回らず根腐れしやすい(1〜2サイズアップが目安)
    根をいじらず適正な鉢に植えなおす

  • 植え替え直後に肥料を与えすぎた → 根が焼けるので、固形のものは取り除き、液肥の場合は水をたくさん与えて流す。肥料は3〜4週間後に

  • 寒い時期に行った→15℃以上を保てる暖かい部屋に置く。段ボールや発泡スチロールの中に入れたり、窓際や床に直置きしない




植え替えで使う土と改良材の役割まとめ

それぞれ「何のための土か」「代わりになるもの」を理解すると、配合に迷わなくなります。


【基本用土】植物のベースになる土

● 赤玉土

  • 役割

    • 植物の基本となる用土

    • 水はけ・水もち・通気性のバランスがよい

  • 向いている植物

    • 観葉植物全般

    • 草花、庭木、多肉以外の多くの植物

  • 代替になるもの

    • 鹿沼土(性質は似ているが酸性)

    • 市販の「観葉植物の土」(中身は赤玉主体が多い)


● 鹿沼土

  • 役割

    • 赤玉土と同じく基本用土

    • 水はけ・通気性がよい

    • 酸性の土

  • 向いている植物

    • ツツジ科(カルーナ、アザレアなど)

    • ブルーベリー

  • 代替になるもの

    • 赤玉土(ただし中性〜弱酸性なので、酸性を好む植物には注意)

※「赤玉土と鹿沼土は同じ“基本用土”だが、酸度が違う」と覚えるとわかりやすいです。



【有機質】栄養と保水を補うもの

● 腐葉土

  • 役割

    • 栄養を補う

    • 土をふかふかにする

    • 微生物の働きを助ける

  • 向いている植物

    • 観葉植物

    • 草花

  • 代替になるもの

    • ピートモス

    • バーク堆肥

※腐葉土は単体では使わず、必ず基本用土と混ぜるのが基本です。



【排水性・通気性を高める】根腐れ防止グループ

● パーライト

  • 役割

    • 排水性・通気性を高める

    • 土を軽くする

  • 特徴

    • とても軽い

    • 白くて見た目がわかりやすい

  • 代替になるもの

    • 軽石

    • 鹿沼土



● 軽石

  • 役割

    • 排水性・通気性を高める

    • 鉢底石としても使える

  • 特徴

    • 重さがあり安定感が出る

    • 崩れにくい

  • 代替になるもの

    • パーライト

    • 大粒の赤玉土

粒の大きさが同じなら、軽石・パーライト・鹿沼土は「排水性を上げる目的」としてほぼ同じ役割をします。


【保水性を高める】乾燥防止グループ

● バーミキュライト

  • 役割

    • 保水性を高める

    • 肥料成分を保持する

  • 向いている植物

    • 乾燥に弱い植物

    • 室内管理の観葉植物

  • 代替になるもの

    • ピートモス

    • 腐葉土(保水目的の場合)




【土を考えるときの考え方(重要)】

  • 基本用土
    → 赤玉土 or 鹿沼土

  • 排水性を上げたい
    → パーライト / 軽石 / 鹿沼土

  • 保水性を上げたい
    → バーミキュライト / 腐葉土

  • 栄養を足したい
    → 腐葉土

目的が同じなら、材料は必ずしも同じでなくてOK。手元にあるもので代用して問題ありません。




補足:よくある疑問

  • 「赤玉がないから植え替えできない」
    → 鹿沼土や市販培養土で十分代用できます

  • 「パーライトがない」
    → 軽石や鹿沼土でもOK

  • 「配合が不安」
    → 市販の観葉植物用土をベースに、排水性が気になるなら軽石を足す、でOK





最後に

ここに書いた内容は、「こんなやり方もあるんだな」くらいに読んでもらえたら嬉しいです。
植物の種類やそのときの状態、育てている場所によって、植え替えのやり方は変わります。
人によってもやり方は違いますし、正解はひとつではありません。
一番大切なのは、植物の様子をよく見てあげること。
こんなことを言っていますが、私も未だに失敗することがあります…
失敗しても、植物を育てる楽しさを知ってもらえたら嬉しいです。